男爵ひげとは
久しぶりに猫の感触を味わう。午后四時すぎ、エアコンを止めて外の様子を見ようと窓を開けると、真下に猫が寝そべっていた。白黒の若いオスのよう、ヒゲ面で可愛げがないのに少し甘えた目をする。ちょっと待ってな、と云って魚肉ソーセージを噛み砕いて小皿に盛り、水の器と一緒に風呂場のドアから差し出すと、おそるおそる食べに来た。食べ終わると毛づくろいをし、土の上に横たわっている。日陰で涼しいのか、うとうと居眠りをはじめた。ドアを開けると家の中に入りたそうな素振りを見せる。コンビニでカリカリを買って皿に盛ると、もういなくなっていた。また食べにおいで。