かに道楽とは
長年の夢が叶った。ずわい蟹を思いっきり食べる。ひとりで黙々と、誰にも文句云われず、バリバリ殻を噛みちぎって。一昨日は夜までかかって一匹分を完食した。蟹しか食べてない。満足じゃ。子どもの頃、魚屋に嫁いだ叔母ちゃんが毎年正月用のずわい蟹をたっぷり持ってきてくれた。家族の誰も手を付けないので独り占めだ。そんな記憶があってか、ここ数年密かに思い続けていた。かに料理は好きではないので店に行く気はなく、スーパーのこぢんまりした冷凍物には食指が動かない。しかしね、あまりに大量のずわい蟹に怯んだのは一瞬で、毎日食べても倦きないことに少し驚いている。殻は出汁を取って鍋に投入、こんな贅沢は一生に一度でいい。