異邦人とは

いつもと違う道を歩く。心許ない足取りでも、たった15分で隣り町。まるで知らない町のように全てがよそよそしく、それが新鮮で居心地がいい。活気のある駅前で店頭に並べられた野菜や海苔やお茶などを物珍しそうに眺める。古着屋で足を止め格段に安い衣類を選り好み、ついに薄紫色のトレーナーを買ってしまう。それだってたったの千円だ。うれしくて舞い上がる。満足して駅前酒場。もはや旅人気分。贅沢しようにも日本酒が一杯たった300円の店。ラーメンでもそばでも弁当だって千円する時代、ガード下の食堂はカレーが400円、大きな男たちがぎゅうぎゅうで飯を食らっていた。自然に笑みがこぼれる。夕暮れ時、家に帰り着く。5,000歩の冒険。

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