小悪魔とは
まったく浅はかだった。考えてみれば彼らは寄り添うことで寒い冬を乗り切ったのだ。目から鱗が落ちるとはこういうことか。ミミコは孤独ではなかった。薄汚いけれど心優しいオヤジたちに守られている。そう、ハチワレもその一人だろう。少しさみしいけれどミミコが幸福であればそれでいい。チャイやハチワレにとってミミコは永遠に五歳の少女なのだ。涙なくしては語ることのできない秘話なのだ。笑ってはいけない。今朝も9時半にミミコは可愛らしい顔で現れた。金のまぐろ70gとカリカリをペロリ平らげて寛いでいる。午后1時半にまた来て物欲しそうな顔をするのでカリカリとちゅ〜るを差し上げた。まてよ、わたしも中年男の一人じゃないか。