食客とは


2杯目のビールを注ぐと着信。駅前にいる友だちからだった。わざわざ出向いて行く気力も体力もなかったけれど、カウンターの隅っこで黙々と飲んでいると、譲ることを知らないおじいさんたちのつまらぬ自慢話が耳障りでやりきれなくなった。酒をぐぃっと飲み干してバスに乗る。活気のある店はやはり酔うものなんだ。バイト君の頬の赤い湿疹以外、なにやらさっぱり記憶がない。バスで帰宅したのはえらい。翌日、財布を見たらお金払ってなかった。カップ酒2本と手羽先のみだと思うが、結局お通しの里芋と一緒にホイルに包んでお土産にしてくれたらしい。なんともはや、善意の人たち、ごめんなさいまし。