不織布とは
懐かしい物を引っ張り出した。この街に来て初めてのバイトは赤坂や新宿のスナックに飾るアートフラワーを製作する会社。聞こえはいいがオシボリなどと同等で社長はヤクザの女房。若い衆に「アネサン」と呼ばれていた。夕方軽トラで搬入に行くと韓国人の店は食事中、キムチの匂いが強烈だった。1年過ぎた頃、職場のオバちゃんが宝石類を持ち逃げ、その半年後、社長が癌になった。部屋の片付けを任されて造花や花瓶を大量に捨てた。なんでも持って行けと云われ、リボンとラッピングペーパーをもらった。便器の下の空洞から湿気が入り込んで床が傷むのでキッチンペーパーを挟んでいたが、もったいないのでこれを使うことにする。よい使い道があった。