残量とは


小学何年生の時だったか。性教育だから高学年だろう。「もし赤ん坊ができてしまったらどうする?」という質問があった。わたしの答えは「拾ってしまったと云って両親に育ててもらう」だった。この回答の中にわたしの本質が見え隠れする。イヤな子どもだ。先生も母親も笑った。一人暮らしを始める際に父親が云った。「子どもができたらお父さんが育ててやるからな」米を炊くこともできない人の言葉とは思えず、心の中でそれは母親の台詞だろうと笑った。このところ四六時中身体がだるくて仕様がない。ふっと目を閉じたら二度と目醒めないような気がしてくる。からだの電池がシュッと切れてしまう感覚。疲れているのか病んでいるのか。五月が終わる。