お持ち帰りとは
飼い猫と野良猫の見分けがむずかしい。最近よく名探偵ポワロそっくりの口髭を持った猫がやってくる。窓を開けたらそこにいた。媚びたりはしないが逃げもしない。玄関先に座り込んでいた時はびっくりして鍵の字に曲がった尻尾をチャッと立てながら跳びはねて逃げた。白黒でふかふかした毛並みには艶がありひもじい様子はない。どこかで飼われていたかもしれない。けれど鳴かないところを見ると野良。明日は早朝に雪予報、温かな寝床はあるのか、キャットフードを買うべきか悩む。風の冷たい夜、妥協して近くの焼鳥屋。串物はすべて駅前の店の1/3ほど、漬物は市販品だらけで持参のビニール袋行き。唯一じゃがいもが良かった。こんな日は昔ながらのラーメン屋で〆。焼き豚とほうれん草のお浸しもビニール袋だ。