寓話とは


枯葉の舞うけやき並木を歩く。待ち望んでいたエミール・クストリッツァ9年ぶりの最新作『オン・ザ・ミルキー・ウェイ』。毎月一日は映画の日で割引料金になるので、わずか40席の小さな映画館は9割の入り。平日の昼12時にも関わらず年齢層は若い。いちばん前の席を確保してビールを買う。オープニングに二人の客がスクリーンの前を横切る。入れちゃダメでしょ。監督自身が主人公を演じていたのは興味深かった。大好きなミキ・マノイロヴィッチの変態っぶり健在。イタリアの宝石モニカ・ベルッチの哀しい花嫁。縦横無尽に動き回る動物たち。なによりハヤブサの演技にやられた。曲に合わせてダンスを踊り、つぶらな瞳で語りかける。猛禽類を飼いたい。