危機感とは
朝、けたたましい叫び声が響く。その尋常ではない気配に怯えた。家の側のコンビニ駐車場で喧嘩でも始まったか。とても正常な人の声とは思えない。近くに交番があるからすぐにでも警官が駆けつけるはずだが、その声はしばらく続いた。ATMに用があるのに怖くて出られない。一時間ほどして収まったようなのでコンビニへ行くと、駐車場の入り口で電動車椅子に座る巨体が目に入った。間違いなくあの声の主だ。付き添っている女性?に咎められているらしく、奇声を発しながら駄々をこねていた。電気で走る車両に乗った人はかなり危うく見える。走る凶器とも云える佇まいに動悸がした。家から数歩出ただけでこんなに怖い目に遭う。ぼんやり歩いてもいられない。