物忌みとは


部屋に陽が差し込むようになってきた。ぐるりと狭小住宅に囲まれて日中は真っ暗、電球を灯さずには過ごせなかった。二重の簾を取り外し、シェードだけにする。陽の光は柔らかい。けれど正午を過ぎたら曇ってしまった。今日は物忌みだ、外出せずに灯りを暗くする。世間には甘い物が溢れ、年寄りさえも浮かれた顔で闊歩していることだろう。季節の行事はひっそりと自分の愉しみのためにすればいい。そんなことを思っていたら友人からメール、また大怪我したらしい。電動自転車をひゅいひゅい走らせるのはご法度だよ。高額の治療費を払うよりタクシーが正解。