熱中症とは


熱い一日だった。目が醒めた時に頭がぼわんとして体温を計ると37度。平熱が36度7分くらいなので驚きもせずに頼まれていたズボンの丈直しを始めた。これがなかなか手ごわい。ウエスト90センチの特大サイズ4本の採寸、裁断、アイロンがけで体力を使い果たす。保冷剤を首と頭に巻きつけ、手のひらに滲む汗を拭きつつミシンがけ。集中力は皆無、ただ意地だけ。多々ある綻びなどを手縫いしておよそ四時間。ノックダウン。体温37度7分。冷水シャワーを浴びたところで祭り囃子が近づいてきた。神輿をかつぐ荒々しい声が夜を切り裂いていく。誘われるまま外に出て、ふしぎな威勢の成り行きに立ち会う。高感度カメラの如く接写する目玉。冷静なのはわたしひとり。