マタタビとは
ミミコが豹変した。爪研ぎにマタタビの粉をふりかけておいたら、すりすり体をこすりつけよだれを垂らして陶酔している。反応にはずいぶん個体差があるという。ここまで悦んでくれるとは期待していなかった。朝食後に狩りに出かけ、二時間したら戻っきておやつ。またたびラブ。三時間昼寝したらパトロールの時間。小首を傾げて鳥を見上げている後ろ姿はなんとも可愛らしい。小憎らしい顔つきもどこか間抜けで笑っちゃう。ちょいと興奮させすぎたかな。この日の夜は戻ってこなかった。こういう虚しさに慣れなくちゃいけない。初めから覚悟してる。ミミコが出て行く時、これでさよならといつも思う。このいびつな幸福はいつまでつづくだろう。