人気とは


どうしても起き上がれない。玄関の呼び鈴が二度鳴っても目が開かない。正午近くにようやく洗濯の山を片付けて、実家から送った荷物の整理。繕えばまだ着られるカーディガン、わたしが母にあげた堀内誠一の本など。陽が傾きかけた頃、家人と駅まで歩く。温かいスリッパなど買って魚のおいしい居酒屋。ふたりとも朝から食事抜きだった。料理と熱燗大徳利、すべてが豪快で気が晴れる。人が集まる店は様々な工夫をしていた。帰りは近所のらーめん屋に寄り道。胃が悪いと言い訳をしてビールにチャーシューご飯をつまみ、隣りのスープをひと口もらう。主張がなく複雑でもないのにひどくやさしい味。とても丁寧に作られている。昼時に人が並ぶには理由がある。初めてのことにいろいろ挑戦した一日。