流浪とは
ここはアジアの片隅。家から歩いて10秒のコンビニ駐車場に置かれた簡易テーブルと椅子は夕方から外国人たちに占拠され、缶チューハイ祭りが繰り広げられている。深夜になると徘徊老人たちがぐったりと寝おちていて、煌々と明るいガラスを一枚隔てたそこはゴーストタウン。行き場のない異国の民たちはなけなしの小銭で冷えた飲み物を買い、情趣のカケラもない場所でわずかな静寂に身を委ねている。雷雨が収まってから図書館に避難してぼんやり。祝日は午后5時閉館で追い出された。いつもの店は子連れ夫婦たちが豪華な晩ごはんに浮かれる様子がむなしい。無理をして注文した鰯納豆生卵入りに手こずる。仲良しのハルちゃんと交差点でバイバイ。