小さな旅とは


車に乗るのは嫌いじゃない。トラックは助手席、乗用車は後部座席、バスは一番前がいい。車とは無縁な暮らしなのでたまに乗せてもらうと興奮冷めやらず。知らない道、知らない店、知らない人々の顔が強烈に目に飛び込んでくる。今日は友人が車で近場の温泉施設に連れて行ってくれた。露天風呂は琥珀色の源泉、なめらかでちとぬるめ。不自然な白さのお湯もある。入ると体に細かな泡がくっついた。風がやけに冷たい。内湯で温まって最後に水風呂へ。さて地元に帰り、お手頃な鮨屋で宴会だ。ここちよい喧騒。くいくい日本酒飲んで帰宅。途中の商店街で夏みかんと青大豆と母のズボンを買ってずしりと重たいリュックを下ろすと気が抜けた。湯冷めしたか。