失語とは
誰でもない。終わりのないトンネルをずっと歩き続けている。書くことのつらさや、漢和辞典を引くことのたのしさを頼りに長い道のりをどこまでも歩いていく。行き先は雪国の暗い海だったり、南国の港町だったり、誰も知らない町ならどこでもいい。信じられる人なんて、いるんだろうか。それこそ信じられない。徹底的に自分を傷めつけたり甘やかしたり、今どこにいるのかわからなくなる。人の顔が怖い。うさぎのように声が出なくなればいい。取り立てて話したいこともなければ、笑顔をつくる必要もない。キョトンとしているか、眉間にしわを寄せて睨みつけるか、ふたつの選択肢があればそれで済む。今日のミミコ、朝8時半と昼2時半。夜食なし。