どん底とは

何も書けない。白い紙の上でちびた6B鉛筆を握り締めても凍りついて動かすことができない。PCの電源を入れることができない。そんな時は逃げるだけだ。何処へ?こころのず〜っと奥深い場所、真っ暗で何も見えないところ。東京で最初に飛び込んだアングラ劇団でよく連れて行ってもらったのが新宿三丁目末廣亭の近く「どん底」と云う酒場。朽ち果てた洋館の重い木戸を開け薄暗い店内に入り急な階段をつたって三階へ。ハヤシライスをつまみに怪しいカクテルのドンカクと演劇談義に酔っ払い母に買ってもらったお気に入りの腕時計を失くした。昭和の時代には数え切れないほど苦い思い出がある。けれど這い上がる気力も持ち合わせていた。

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