満開の下とは


化粧まわしに興味はなかった。今場所の土俵入りで照ノ富士はまっ黒の化粧まわしを付けている。2019年に亡くなった師匠の元関脇逆鉾、井筒親方の喪に服しているのかと思ったら、実は濃紺、同色の糸でしこ名が刺繍されているそうだ。後援会などから贈られた化粧まわしの中からゲンを担いで選んでいるのか。金銀派手な色合いだったり、漫画的似顔絵が施されたポップな化粧まわしが多い中、あまりに渋すぎて目立つ。来場所に期待しよう。部屋の東海桜は4割ほど花が減り、黄緑色の葉っぱが出てきた。落ちた花弁は猪口に浮かべて花見気分を味わっている。300円で十日、いや1年分楽しめた。桜の花が死を思わせるのは坂口安吾のせいだろうか。