危機とは


独り言が止まらない。あれ、なんだっけ?これは?どうするんだっけ?ここにあったのに、ないねえ…どこいっちゃったんだろうねぇ。まるで痴呆症。狭い家の中をうろうろして途方に暮れる。日常と非日常が同居する2020年/零和2年の春。高速バス、新幹線、地下鉄もリスクが大きすぎる。いやいや、歩いてたって危険な人がぶつかってくるし、子どもを乗せた電動自転車に轢かれそうになる。公共の場がいちばん怖い。空気が汚染されたら緩慢な死を待つだけだ。木綿のワンピースを着られるようになる夏までに何事もうまくおさまることができるだろうか。肌を出して外を歩いてはいけません、とか云われないだろうか。女心と上の空が入り混ざる。