依存とは
さみしいと感じることはない。昔から独りが好きだった。団体行動には拒絶反応を起こすけれど、大勢の中にいることが苦手なのは隠し通せた。それは少しも変わっていない。ただ、時折暗い部屋の中にいることに我慢ならなくなる。マティがいなくなって7年、涙も出ないほど廃人同様となったが、そろそろどこかが緩んできたのだろうか。街中をひたすら歩くだけでいい。どこかでビール一杯飲むだけでいい。会話は不要。それで気持ちが治まる。以前は朽ち果てそうな建物や素敵な女の人をみつけるたのしみがあったが、今や風景はガラリと変わり、何もかもが味気ない。ひたすら夢を見てマティとグイドに逢うことだけが生きがい。