祭典とは
ぴんと空気のはりつめた朝。ああそうか、祝日。四半世紀よりずっと前の1月15日、高価なチェックのブレザーを買ってもらい、田舎の成人式に出席。その後、生まれて初めてボーリングをしました。手馴れた様子でゲームを楽しんでいる同級生たちがひどく幼稚に見え、すっかりしらけて参加したことを後悔したのです。そのブレザーはまだ洋服箪笥に眠っていて、結局わたしに高級品は必要ないということでしょう。静かな昼下がり、嫌気がさして大掃除を始めます。片付いたら校正の終わった書類を宅急便で送り、やれやれ息を吐いて空っぽの器にあいつのごはんを用意しました。三頭身の顔でかは嫌われたのでしょうか、姿が見えません。