初雪とは


雪が、降りました。それは、見飽きた光景なのに、目にする度に新鮮なきもちになるのはどういうわけでしょう。窓越しに降りしきる雪を眺めながら半日が過ぎました。雪はすべてを包んでしまいます。まず、音が消え、そして汚れた町に薄化粧を施し、人々のやましいこころに蓋をするのです。目の見えない人、耳の聞こえない人、さらに全ての記憶を失くしてしまった人たちは、この静けさと雪の気配を真っ先に感じとるはずです。部屋の温度計は3.5℃。午后5時、ライトダウンジャケットの上にファーパーカーを着込み、レインシューズで新雪の上を歩いていつもの店へお年始に。生牡蠣とマグロのご馳走。雪の感触をたのしんだ四千歩の散歩でした。