豪雨とは
今日、母が死んだ。兄からの着信で覚悟はしたが意外な反応に自分でも驚く。ほっと肩の荷が降りるだろうと思っていた。悲しくはない。けれど心にぽっかり穴が空いた。8年前父が死に、半分気の触れた母を一月おきに手料理を持って訪ね、愚痴をこぼしながら食べ続ける母に背を向けて散らかり放題の部屋を片付けるだけで精一杯だった2年間。ついに手に負えなくなり施設に入れてからは実家の片付けと施設と病院の往復で疲弊した。実家からの帰りに品川駅のホームを歩いていたら胸の奥でパンッと爆ぜる音がしてわたしも壊れた。体重が37Kgまで落ち込んで生きてることが不思議だった。夜、激しい雷と雨の音を聞きながら空白の時が流れる。