保湿とは


朝焼けが消える頃の室温4℃。雪だるまみたいに着膨れして片付けなど始めると、ふしぎなほど次から次へ家事が続いていく。どこかでエイヤっと諦めないと全身が凍傷になる。ポットでお湯を沸かし湯気に手と顔を当てて洗顔おしまい。濃いめのネスカフェを二杯飲むと深いため息が出る。今日は九月から通っていた皮膚科が閉院していて途方に暮れ、その足でこ無沙汰しているいつもの店へ行った。変わらないおだやかな時間。三ヶ月の空白を埋めるため精一杯喋る。およそ一年に渡る空虚な日々に、ようやっと幽かな光が見えてきた。朝晩ハッカ油入りの蜜蝋クリームで乾いた皮膚を保湿すれば、この先の苛酷な冬を乗り切れそうな気がする。