杞憂とは
朝はいつも早すぎる。入念に準備をして9時半、血液検査とエコー検査の結果を聞きに行く。総合病院はゆっくり歩いて3分。早すぎた。耳鼻科の予約は10時だ。待合で花田清輝「ものぐさ太郎」を読んでいたら10時前に呼ばれて周章てる。気さくな医師は開口一番に云った。「この前、僕云ったよね。なんの問題もありません」検査報告書を出して「γGTPだけ高い」「はい、毎日飲んでます」「ふふ、痩せた酒飲みだな。これ以外はすべて正常。内科の先生なら酒やめろと云うがね、酒やめたら百歳まで生きられますか?って云ってやれ」呆気にとられていると「何か質問は?」と訊かれ「まったくありません」と答えるのが精一杯。死に損なった。拍子抜け。