空想とは


病は気から。ずるする鼻をすすりながら近くの公園へ行ってみた。カバのいる公園の桜は太陽の光を浴びてまぶしいくらいにキラキラ輝いている。ひとつしかないベンチに座ると西日が当たるばかりなので池のある公園に移動。散りはじめた染井吉野は北風に煽られて、大きくしなる枝が澄んだ青い空に弧を描いた。隣りのベンチには外国人夫婦、悪ガキどもが池のオタマジャクシ争奪戦を繰り広げている。木に登るな!走り回るな!大声で騒ぐな!親はどこだ!と心の中で呟き、寒さをこらえて缶ビールを1本飲み、空想の世界に入り込んでしずかな花見をする。夜、ミミコかと思ったらハチワレが顔をのぞかせた。こいつはカリカリを食べない。美食家か?