アンバランスとは


話はどんどん進む。実家の売却の件、連絡がきたので兄の連絡先を教える。生まれ育った家じゃないから想い出はない。ただ増島先生の絵が三枚、これだけは譲れない。母の画集、着物、ピアノなどお金になりそうな物を兄に伝える。わたしは父の書斎から持ち出しそびれた本を取りに行かなくちゃ。けれど二束三文で実家を無くしていいんだろうかという疑念も残る。帰るつもりはないのだから、いいチャンスなのかもしれない。わたしの家じゃない。くたくただ。夕方、相方に付き添われていつもの店。酒に飲まれた。家までは無事に帰還。玄関前で柵を掴まされたら肘がかゆくて手を離した途端、トトトと後ろに持って行かれて転倒。素足の膝を強打、出血。