作法とは


さよなら九月。新しい家の暮らしに未だ馴染めず、できるだけの手入れはしたはずだけれども、どこか寒々しくてよそよそしい。入居した時から向かいでやっていた新築工事がちっとも終わらずイラつく。朝の8時から工具を使うのは反則だ。辛抱することだらけ。最近気に入ってる近所のパン屋でわたしがトレイに乗せたパンを店員の女の子が落っことした。代わりにバケットを持っていくと店長がでてきてお代はいりませんと云う。きちんと払ったけど、何か腑に落ちない。子供染みている。良いことをしたはずなのに気が滅入り、コンビニで最後の煙草1カートンを買った。おばちゃんの親しみのこもった応対が可愛らしくて笑う。ひどく疲れた。