途中とは


あれは東の空。まだ慣れない道だと方角があやふやになる。日が沈み、ちょいとそこまで買い物に出た帰り道、目に飛び込んできた大きな月。満月は明後日。十三夜か。建物の間に見え隠れするオレンジ色の月を追いかけて息が上がる。白い化石のような昼の月もいいけど、昇りたてのぶるぶる光る月は格別。今の家ではお月見もできないから貴重な瞬間。玄関先でたっぷり光を浴びた。ずっとこのままでいたかった。