無の境地とは
第一日目。三時に起きる。七時半に家を出て高速バスで静岡へ、施設に着いたのは5時間後。すでにへとへと。母の第一印象は別人。髪がちょろちょろ肩の下まで伸びてる。まるで白髪のヤンキー。笑う。わたしの顔はわかるが名前を思い出すのに一時間かかった。兄が来てしばらく話して早々ホテルに向かう。暗い部屋。バスタブにお湯と間違えて水を溜めてしまい、抜こうとしたら短い毛が三本浮いてる。案の定、清掃されてない。黙々と掃除して入り直してから近くの肴場に行ってみる。のんびるの塩昆布和えを30年ぶりに食べた。賑やかすぎるので退散。ホテルで飲み直しても一向に眠れない。ラジオから古い洋楽が流れる。深夜三時、東の空に更待月。