存在感とは
「緋牡丹博徒 花札勝負」加藤泰監督/1969年。何十年ぶりだろう。シリーズ8本中の傑作と云われているだけあって、初見のような気持ちで最後まで見終えた。当時、高倉健が38歳、藤純子24歳。最近、映画を見ていて役者の年齢が気になって仕様がない。アラカンこと嵐寛寿郎が67歳で重厚な存在感を見せつけていた。個人的には山本麟一(当時42歳)と待田京介(当時33歳)が良かった。山本のギラギラした鋭い眼差し、待田のキラキラ澄んだ目、豪快かつ繊細な演技と独特の風貌は今はもういないタイプの俳優だ。調べたら山本が53歳という若さで亡くなり、待田は50歳で引退していた。この先、人間味がどんどん薄れていくのは止められない。