綱渡りとは


日記をつけるのが億劫になる。理由はひとつ。書くことがみつからない。それでも日々は過ぎてゆく。がんばって生きているかと云えば首を捻りたくなるけれど、これが精一杯。街に出ると人々の目が刺々しくて息が苦しくなるし、注意深く行動しないと当て逃げされそうな予感で汗だくになる。朝昼兼用の食事も途中で嫌になり、ビールで誤魔化しながら平常を保つ。夕刻、少し早めに家を出ていつもの店に向かう。水色の空だけを見上げて人ひとりいない道を選んで歩く。公園に集まっている老若男女のよそよそしい佇まいが怖ろしくて早足になる。店についてようやっと落ち着く。明日常連さんたちが近場の温泉施設に行く行かないで揉めていて笑った。