結婚難の時代とは


『浅草四姉妹』佐伯清監督1952年。昭和27年の浅草の夏、小料理店の四人姉妹の日常と恋を軽やかに描いた喜劇。内科医の長女は「姉ちゃん先生」と呼ばれるしっかり者。ところが同僚の外科医への恋に目覚めた彼女の恋敵は洋裁店に勤める活発でおしゃれな三女だった…。長女相馬千恵子のすっとぼけた堅物ぶりが可笑しくて、芸妓の次女関千恵子は一途で狂おしいほど可愛らしい。長女と外科医が消毒用アルコールの水割りで飲みっ比べをして病院の物干場でダンスをするシーンが外国映画のように美しいのだが、それを覗き見する看護婦たちがまたにくい。しかし何と云っても近所のおばちゃん飯田蝶子がいいのだ。調べたら当時55歳…こういうお婆さんになりたいと常々思う。