猫又とは


そいつはやはり妖怪だった。ミミコのごはんを荒らしにやってくる白猫はインドのミルクティー「チャイ」のように薄汚れている。図体がでかいので室外機の上に飛び乗るとすぐにわかる。ガラス越しに見ても馬鹿でかい。今朝、風呂場の窓から逃げていくところを目撃した。お尻に黒い斑点があるのは知ってたが、白い尻尾の先に茶トラとサバトラの短い尻尾がくっついている。どうにもこうにも異様だ。人相の悪さも相まって背筋が凍りつくような気がした。この辺を仕切るボス猫なのか、それだけの凄みはある。それほど老猫には見えないが、なんだか急に哀れに思えてきて、チャイにもカリカリをあげることにした。うちの台所事情が心配だ。