漂泊とは


逃げ去るように二月が過ぎた。極端な出来事もなく、鬱々と季節のうつろいに身をまかせている。ミミコは朝8時に金まぐろ1カップとカリカリ。午后1時すぎに黒まぐろ1/2とカリカリ。夜食のカリカリ。いい食べっぷり。風呂場の窓からのぞいたら、北側の家のおじさんが池に向けてカメラを構えていた。ミミコも塀の上から池を狙っている。鳥か?鯉か?いずれにせよ、ちょいと間抜けな構図だ。しかしミミコのお食事記録を付けることしかたのしみのないわたしという存在の希薄さはマヌケどころの騒ぎじゃない。夕方にいそいそと着替えを済ませ、いつもの店へ繰り出すのが日課。みな顔馴染みになったけれど、ひたすら薄ら笑いを浮かべて飲むだけ。