7,530万kmとは


夜九時、南の空に大きな赤い星。火星だ。西の空には控えめに木星。火星ってこんなに大きかったかしらと思ったら、5月31日に地球に大接近したらしい。その天鵞絨の如き深く赤い色を忘れないだろう。去年の今頃は瀕死のマティを抱きながらこの世の終りをみつめていた。もう一年が経とうとしている。命日にモンステラ柄の猫ベッドを捨てると決めた。大丈夫か、わたし。壊れてしまった頭の修正に努めてきたけれど、空白はどんどん広がっていく。泣き言を綴って穴を埋めている日々から卒業しなくては。