不思議とは

気が引けること。古本屋で100円棚の本を一冊だけ買う。か細い声で「すみません」と云い百円玉をそっと置く。先日は『不思議の国のアリス・ミステリー傑作選』河出文庫を買った。中井英夫、小栗虫太郎といったツワモノ揃いの傑作推理短編集で以前読んだ気がしないでもなかったが、見つけた瞬間に心は決まっていた。怪奇的だったり幻想的だったり不思議な謎解きに導かれる七篇を毎晩ひとつずつ夢中で読んだ。ひどく懐かしい思いに胸を熱くしながら。ユリイカ特集「ルイス・キャロル」を父の本棚から抜き取って眺めたのはいつだったろう。調べたら1978年12月号だった。ひょっとしてと本棚を探してみたが勿論あるはずがない。フシギな出逢いだ。

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