支え合うとは


季節はずれの風鈴がちりちり鳴いている。風が強い。ぼんやり音色に聴き入っていたけれど、これを騒音と嫌う人もいるかもしれないと気づいて一旦外した。入院した彼が明日には退院できると聞いて肩の力が少しぬける。見舞いに行く予定はキャンセル。大騒ぎするのもはた迷惑だ。夕方、彼の面倒をみた彼女と近所で一杯。三日間寝られる状況ではなかったはず、お疲れさま。誰かが傍にいるということはこんなにも心強い。もう風がやわらいでいる。南部鉄の風鈴をまた窓に吊るした。