無頼とは


ノラ猫のまなざしを忘れないこと。そうやって生きてきた。何も信じない。我が道を行く。夕方、ふと気になって二週間ぶりにいつもの店を訪ねた。変わらない空気に馴染めないわたしがいる。傷を舐め合ったりからかいあったり、とてつもなくつまらない。一緒に笑えない。体温調節がむずかしいところ。惚けたフリをしてとっとと会計。夜の風がつめたい。街の灯りは陳腐でどこかさみしそう。一家団欒というものはもう存在しないんだと半ば諦めている。酒は一人で飲みたい。