むざんとは

それは桃色に発酵していく。5月2日からコツコツ拾い焼酎漬けにした梅の瓶を並べ色の変化を眺めて悦に入っていた日々にいきなり終止符が打たれる。今朝、梅の木のあるお宅の前を通ったら、それは見事に枝打ちされ殆ど丸裸になっていた。愕然として見回すと、伐り落とされた枝がパンパンに詰められたゴミ袋が5~6個、無造作に置かれている。まだ沢山の実がなっていたのに。わたしが拾ったのは道路に転がった30個くらいで、お宅の敷地内に落ちて萎びた実とゴミになった実を合わせれば恐らく3kg以上はあった。梅を採りもせず、なぜこの時期に剪定しなければならなかったのか。「むざんやな甲の下のきりぎりす」ふと松尾芭蕉の句が浮かんで消えた。

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