秋雨とは


あんまり太陽見てない。雨はしとしと降ったり止んだり。あいつが来るようになってから遮光カーテンを開けて、絽の着物で作ったカーテンだけにしている。薄い紫の織物越しにあいつの白い背中が映る。今日は午后二時半にやってきた。窓を開けてごはんの準備してたら家の中に入ってきそうだったと家の人が云う。いやいや、まだ警戒心は強く、手を出すとシャー!だ。不器用に食べ切ると、毛づくろいをしてとっとと行ってしまう。まあ仕方ない。冬になる前になんとかしてやりたいが。夜、小雨の中いつもの店に行く。ホワイトボードに葉唐辛子佃煮のおにぎりがある。店の前の鉢から摘んで作ったそうだ。店主がちょっぴりくれた。仄かな辛みがうまい。