復帰とは


留守電4件のメッセージ。住民税の催促だった。死ぬか生きるか瀬戸際だろうがお構いなし。怒りを込めて立ち上がれ。昨日より痛みがやわらいできた代償に肩や脇が筋肉痛。宇宙人の歩き方だが自転車には乗れた。九時半に銭湯の朝風呂へ行って惚ける。帰宅すると全身脱力。猛烈な睡魔。眼が醒めるとすでに外はまっくら。むくむくと歩きたい欲求に迫られた。近所の店までの距離が倍に感じる。湯気の向こうにはいつもの顔ぶれ。カウンターの硝子の向こうに光る魚をみつけてはしゃぐ。太刀魚は塩焼きしか知らない。黒板には刺身とある。マスター鮨屋で修行時代に覚えた技らしい。注文すると嬉しそうな顔をした。酒が飲めなくなったらおしまい。