怪猫忌とは


昨日はマティの命日だった。こころにポッカリ空いた穴は六年経っても埋まらない。何も手につかず押し黙る。最期の時を迎えるまでの数日間、13日にお別れするまで何度も何度もマティの凛々しい顔をみつめて放心した日々。世界にたったふたりぼっち、恍惚と不安。もういいよ、ゆっくり眠りなと云えなかった。マティ、行っちゃうの?と繰り返し駄々をこねて困らせた。まん丸の黒い瞳の輝きと微かな体温と日向の匂い、膝の上でしなだれる柔らかな感触が消えないようにいつまでも抱きしめていた。夕方、やっとこさ立ち上がり、シャワーを浴びていつもの店まで歩く。からだを動かすと何も考えなくていい。里芋のコロッケがおいしかった。