匂いとは


昔と今の違い?記憶の中に残る祖母の姿は昔話に登場するれっきとしたお婆さんなのに、どう見積もっても当時は50代。今の50代とは比較にならない。今は70代でも美容室へ行き、化粧やマニキュアをし、自分はおばあさんの部類ではないと確信している。父方の祖母は明治生まれ、母方は大正生まれ。二人共4人子を産み92歳と99歳まで生きた。父方の祖母には嫌われていて母方の祖母に懐いていた。その家はいつもひっそりと薄暗く樟脳と線香とひなたの匂いがし、すべてが色褪せていた。余計な化学物質が蔓延し何処へ行っても同じ匂いがする今とどちらが良いかは明らかだ。しかしあの頃の祖母の年齢を超えてもミニスカートを履いているわたしは妖怪か?