例大祭とは


重陽の節句は以前の仕事で覚えた。平安時代の五節句を題材とした彩色木彫りの重陽の図には菊に囲まれて酒を酌み交わす雅びな男女が描かれていた。当時は宮中の行事で、江戸時代に庶民の間で菊の品評会やら菊人形作りが広まる。しかし今この節句を知っている人はごく僅か。調べたら長崎におくんち「お九日」という秋祭りがあるぐらい。なぜか。9月9日は新暦なら10月28日。これは米の収穫時期に重なり、呑気に菊を愛でて詩を詠んだり酒を飲むどころじゃない。そこで秋の収穫祭に変換されたというのが有力な説だ。今夜わたしの町では神社に出店が並び、里神楽やバリ舞踊などが奉納され、明日は神輿が町を練り歩く。庶民には酒と踊りがいちばんなのだ。