ドライバーとは


彼女にはお世話になりっ放しだ。一昨々日38度の熱を出したばかりなのに、わざわざ新潟のお米を届けてくれた。手に入れたばかりだという淡いブルーのオートマチック車に便乗して街まで。薬局で頼まれた買物を済ませていつもの店で落ち合う。やはり十二月のせわしなさと無縁ではいられない。緊張がほぐれずにビールを余計に飲む。彼女に「簡単だから今度運転してみなよ」と云われてビビった。免許取ってから30年は経つのに、ハンドル握ったのはほんの数回。やんわりとお断りしよう。