男料理とは


二分咲きの花見はやはり少しさみしかった。昼前に友人が車を出し、駅前の店から手の込んだ料理の皿を積んで川沿いの公園へ出発。明け方5℃という寒さにビビり、ダウンコートの下にカイロを2枚貼って出かけたが、雲の下からちらちら顔を出す太陽と熟れた桃の香りのする日本酒のおかげでほかほか温まる。まだ花見客は少なく、子供たちがサッカーボールで遊ぶ姿を眺めながらゆるゆる飲んだ。意外に猫好きが多くて話がはずむが、やはりまださみしくてトイレに立つふりをして逃げ出した。繊細な男たちが作り上げる宴はどこか牧歌的で心も身体もふわりとする。深緑のトックリセーターを着ていたら「光合成してる」と云われて笑う。