物騒な家とは


深夜三時に天井裏から物音。ねずみが走り回る音ではない。もっと大きな生物。たとえば猫が玉を転がしているような不協和音。マジで怖かった。じっとしていられずに、おそるおそる傘でトントン突いてみる。すでに気配は消えていた。もう限界に近づいている。こんな長屋みたいな家を出たい。朝六時前から向いの引き売りの八百屋が乱暴な物音を立てる。老夫婦は一日5回も外で作業しながら大声をだす。顔を合わせればぶしつけなことを云う。プライバシーという言葉を知らない。とにかく今は持ち物を処分することに徹する。