火宅とは


一睡もできなかった。セロトニンが不足したようだ。身体が云うことを聞かないほど疲れ切っているのに眠れない。午前3時、三日月と木星を眺めてポカンとする。驟雨のお陰で気温は30度、扇風機で耐えられる。庭のブルーベリーを齧りながら夜明けの富士山。あれほど緻密にスケジュールをメモしていたのに、その気力もない。朝日が昇らないうちに雑草の山を塀越しに石垣へ投げ捨て、汗を流した。9時過ぎにタクシーを呼び、郵便局で小包を出す。静岡駅で帰りのバスを16時に変更、頭が機能しなくてバス1本乗り過ごして施設へ。臭い衣類を洗濯して雑巾掛け。母は健康そのものだが手の施しようがないほどイカれていた。してやれることはもうない。2時間も駅で座り込んでバスに乗った。歩けない。